葉

馬夫石のお地蔵様を探せ〜その弐
探索2006年3月25日   
 
 電波塔のある山を目の当たりにして、それまで地図の見誤りをしていることに気づいた私。愚かでした。老化現象かな。いや、まだまだ山歩きについては未熟と言うことでしょう。コンパスすら持っていないということも、その証であります。

 さて、これでようやく自分のいる位置も馬夫石の場所も分かりましたので、いよいよ馬夫石のお地蔵様を探しに行き、山頂にあるという三角点と山名のプレートを見に行きましょう。

地図を見ながら
 さて、手持ちの地図と今来た道の様子と見比べ、向こうに見える山々のどこに馬夫石があるか、考えてみました。


  地図とにらめっこ

 これから歩くルートは、こうです。

 まず私は初め、峠から馬夫石を背にして歩いてきたので、今いる所から尾根道を伝って峠に戻ります。そこからさらに北進すると徐々に標高が上がるはずなので、左(南)に一段と高いピークが見えるところまで行きます。馬夫石は尾根道から南にやや離れたところにあるようなので、続き尾根に着いたら南進しましょう。そこにお地蔵様と三角点があるはずです。眺望は余りよくないので、地図と周囲の様子を観察して、ルートファインディングをしながらいけば、きっとたどり着けるはずです。なんだかすごくわくわくしてきました。



峠から北進す
 帰りながら、(あ、ここ歩いたよな〜)と、さっき歩いてきた道が記憶に蘇ってきます。いいぞー。

 さて、最初に登り詰めた峠にたどり着きました。ここからさらに西進するのです。それほど距離はないはずなのですが、無事に見つかるのでしょうか。


     さあ、馬夫石を目指して、西に向かいましょう

 踏み跡を辿りながら、左側に見えてくるはずの尾根の分岐に注意します。道は緩やかな登りで、だらだらと続いています。周囲の見通しは余りよくありません。

ここが馬夫石か、いや…
 峠から5,6分歩いたでしょうか。すると、左前方のやや高い所に、続き尾根が見えました。あちらに馬夫石があるのでしょう。とうとう来ました(と、その時は思っていた…)。

 今まさに尾根の分岐、という所を登り詰めようとすると、おお、何か立っています。


  ここに馬夫石のお地蔵様が? (と思っていた…)

 あれはきっとお地蔵様に違いない、と思ってカメラを用意すると…、なあんだ、ただの木の切り株ではありませんか。がっくし…。

 では左に尾根を辿れば、そちらにあるのでしょう。行ってみましょう。あれれ? 道は下りになっています。こちらが馬夫石でしょうか? 


    こちらが馬夫石に通じる尾根道?(と、思っていた)

 それらしき小ピークに来ました。さあ、ここにお地蔵様があるはずです。いや、ありませんね。違う所にあるのでしょうか。
 でも、三角点と山名の表示板があるはずです。いや…、ありません。そもそも山頂らしくないですもん! おっかしいなぁ〜。

あっ、あれは
 と、何気なくさらに低い所に目をやると、木の根に何かあります。あっ、あれは何だ? 行ってみましょう。


        何か私を引き寄せるオーラが感じられました


         こ、これはお地蔵様!

馬夫石のお地蔵様 
 これは、お地蔵様ではありませんか。しかもらいおんサイトで見た、馬夫石のお地蔵様そのものです。やりましたね! とうとうお地蔵様を見つけました! 


      やっと会えました 馬夫石のお地蔵様  中央のお地蔵様で高さ50cmほど

 ここだったんですね〜。何とここまで来るのに長かったことか…。感慨無量であります。

 さあではまずはお地蔵様に手を合わせて、お姿をじっくり拝見しましょう。

 ふむふむ、3つのお地蔵様は、みな加増野の方を向いていますね。先ほどの大岩の上のお地蔵様と反対です。きっと加増野の人が立てたのでしょう。ああ、全体にだいぶ痛みが進んでいます。お気の毒に…。
 左のお地蔵様は顔と下半身がなく、まるでモアイ像のようです。お体全体が摩滅して、元はどんな姿だったのか、想像するのも難しいです。台座には窪みがあり、そこに落ち着いているように見えます。ふしぎなお姿です。
 中央のお地蔵様も首がありません。しかし元は一番立派なお姿だったのでしょう。台座には、まだ銀色の艶を放つ百円玉が供えてあります。そばにはワンカップの空き瓶が伏せてあります。かつては水入れとして使っていたのでしょう。
 右のお地蔵様だけは、光背が欠けているもののお体は無事です。 いずれも建立年などは分かりません。

 お地蔵様からはさらに下へと尾根道が続いています。青野に通じる道でしょう。あとで別の地図で確かめてみましょう。いつかはそちらへ下って、青野道を踏破してみたいものです。


       お背中側に下る道は、青野に通じるのでしょう 

 さらに探索続行
 さて、水筒のお茶で台座を湿して差し上げ、いよいよ本当の馬夫石を探しに行くことにしました。
 再びお地蔵様に手を合わせて、出発。尾根の分岐まで少し戻ってさらに西進すれば、また別の尾根筋があるはずです。お地蔵様との思わぬ出会いも、失敗によってもたらされたもの。これも一つの楽しみです。

ついに念願成就
 もと来た尾根道を西に歩いていくと、やがて右への分かれ道をテープが示しています。ここを右に行くと、婆娑羅峠や猪戸鉱山方面につながるのでしょう。では、左に行けば馬夫石ですね。

 尾根道の本線から外れ、これじゃ薮漕ぎぎりぎりだな、というくらいに細くなった踏み跡を、どんどん進みます。この先に必ず山頂はあるはずです。


    尾根道から左に延びる続き尾根を行きます

 と、先の探索で大壇の山頂に出た時のようにぱあっと前が明るくなり、木が切り払われて広くなった地点に出ました。


   わあい、いよいよ前方が明るくなりました

 まさにここが馬夫石のピークですね。やっとたどり着きました。峠からは意外と遠かったです。さっきのお地蔵様からは、7、8分といったところでしょう。

 足元には、三角点の石標があり、傍らに古い方のそれが横たわっています。
 
眺望は、北に開けています。大鍋越えの方でしょうか、大きな山塊が見て取れます。


              馬夫石の頂の様子


              馬夫石の頂から北西を展望す

 木の枝には、「馬夫石545m」の新しい表示板があり、傍らには「裾野麗峰」のカードの入った袋が風に揺れていました。


     どこのどなたがつけた表示板でしょう 各山頂に見られます





            「馬夫石のお地蔵様を探せ〜その参」へ続く
                                             
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