葉

古道の寄り道
AZ-1のミーティングに行く。
  2004年11月21日

 いとしのエリーゼを手に入れるために、泣く泣くお別れしたAZ−1は、現在、神奈川のたむらさまの元で、第2の人生を送っています。オークションでお譲りしてからもお付き合いいただいているのは、大変嬉しいことです。その後のA君の様子が分かりますからね。時々乗せてもらったりして、生き生きと走る彼の姿を見るのはありがたいことなのです。何しろ私も惚れ込んでいた車だったので…。

 さて、この日は刺身好きの私の要望を取り入れていただき、マグロで有名な神奈川県三浦市三崎町を訪ねて、マグロ料理に舌鼓を打とう!ということになりました。では、魚好きのあなた、行ってみよう!

 





 第9回 松崎方面へ散歩に行く(バイクでね)
2004年11月3日
酔っぱらいながらも、とりあえずアップ!

 11月3日(水)は、文化の日。朝からとても天気がよく、まさに秋のお出かけ日和です。こんな日に家にいてはもったいないですね。 という訳で、趣味(バイク散歩)と実益(教材開発)を兼ねて、松崎の牛原山へどんぐり拾いに行くことにしました。

 本当なら健康のことを考えて牛原山の麓から歩けばよいのですが、ゆうべ深酒したために(またかい…)ちょっと気分が悪く、歩くのは無理でした。
 県道を伏倉橋(しくらばし)で左折。そば店「小邨」への道を右に折れ、一路、牛原山へ上ります。今回は、一度登り切った丁字路を右折し、展望広場に向かいます。実は伊豆のクイズHPでターゲットとしているある宝物が、その展望広場にあるらしいのです。

 道がダートになるところでバイクを停め、砂利道を歩いていきます。ほどなく広場に到着。おお、ここが松崎の街を見下ろすあの有名な地点ですね。初めて来ました。何だか感激〜。下界の伊那下神社の辺りからでしょうか、「どんどんひゃらら、ぴいひゃらら…」と祭り囃子が聞こえてきます。


           祭り囃子が聞こえる牛原山の山頂から

 さてその宝物ですが、展望台の上にあるのかな、と思っていたところ、展望台は使用禁止になっているではありませんか。見上げると、たしかに乗る部分が腐食しているようです。これはひどい…。うかつに乗ったら、足を踏み抜いてしまいます。予算の都合があり、修理もままならないのでしょう。残念なことです。

 宝のヒントは、「那賀川を見下ろす地点から5歩下がってみる」ということなのですが、初めは見つけられず、あちこち探してしまいました。だって、展望台の下からは那賀川がほとんど見えないんですもの〜。一度見つけてしまえば(なあ〜んだ。)となるんですけどね。





  
   
見上げた展望台には無数の虫食いのような腐食の穴が
これがそのお宝です。該当HPで紹介されています。
  
 ちょうど車(横浜ナンバー)で(車進入可なんですね。)犬を連れてきていたご夫婦に挨拶をしたら、「ドラマを観て来られたんですか? さっきも街をドラマの舞台を訪ねるツアー客が歩いていましたよ。」と逆に聞かれました。私、「せかちゅう」は観ていなかったのですが、「はい、そうです。」と答えてしまいました。B型のパターンですね。実は「バーバー吉野」の方がお気に入りなのですけど…。

 さて宝物は見つけたので、今回の目的、「まてばしい」のどんぐりを拾いに戻りました。でも、3年前にたくさん拾ったポイントには、あまり落ちていませんでした。「まてばしい」のそれは、虫食いが少ない種類だそうで、工作に用いるのに適しているそうです。これでトトロのちいさな人形を作ると、とても面白いのができるんです。でもどこにその木があるのか情報が少なく、私が知っているのは牛原山だけなのです。
 くもの巣と滑りやすい山の斜面に難儀しながら、どうにか50個ほど集めました。殻もたくさん落ちていましたが、お猿さんが食べてしまったのでしょうかね。それともイノシシのえさになったのかな。
 と、突然、広報のスピーカーで「この道」が流れました。ああ、時計は午前11時なんですね。それにしても山田耕筰を流すとは、センスのいい町です。昔、合唱サークルでよく歌ったっけ。私は下手だったけど…。

 思いの外どんぐりが拾えなかったという失意の中、再びバイクに跨り、帰路につきます。麓に下りたところで「小邨」に寄りたくなりましたが、ぐっとがまん。その後で、ある民家のガレージに昭和45年ごろの日産サニー10型らしき個体を発見。思わずUターンして見てしまいました。旧車好きにはたまらない一台。走っているのかニャー。110型の1200GXあるいはGX−5や1400GXエクセレントならもっと興奮したけどニャ。

 その後、バイパスのサークルKで飲み物を買って、東に向かいました。途中、走り出してすぐの桜並木近くで、新しくできたイタリアンレストランを発見。いえ、来る時に気づいていたのですが、なかなかしゃれた建物ですね。バイクを停めてちょっと覗いてみると、パスタが800円で、パスタランチが980円。ふむふむ良さそうですね。今度機会を見て来てみましょう。


      今度行ってみたいなあ。

 三聖苑を過ぎ、のろのろ走る車をぶち抜いて、あ、いや追い越して、婆娑羅を越え、加増野にやってきました。ああ、やっぱり天気がいいですね。このまま帰るのは惜しいです。と、そこへ「ポーレポーレ」のそば営業中の看板が目に留まりました。そう、農業体験施設「ポーレポーレ」では、去年から飲食業の認可を取り、そばを昼食に供しているのでした。行きたいな…、と思った時には、もうハンドルをそちらに向けていました。


     元は加増野小学校があったところなのです。

 清潔感あふれるお店に入ると、出迎えてくれたのは、おや、智恵実ちゃんのお母さんではありませんか。お久しぶりです。
 お客は私だけで、そば打ち体験をしている4人家族が、奥でのし棒を振っています。楽しそうですね。私もいつかやってみたいなぁ。
 お客用のそばは作り置きがないらしく、今日の当番(?)のお母さんがまさに今、そばを打っています。あのそばを食することができるんですね。うしし。


そば打ち体験は5人で2500円(材料費と指導料込み)。その場で食したい時は、一人+400円で調理してくれます(要確認)。

  玄関ホールでの展示。手作り味噌も買えます。 大きな山椒のすりこぎに3万円の値がついていました。貴重品?

 「今日は手薄なもので、お待たせしました。」との言葉と共にできてきたのは、1000円也の天せいろです。お、おいひそう〜。なぜ天せいろなのかって? 「もりそばでしょ?」と注文を聞かれたのですが、今回はちょっと奮発してしまいました。あ、体重が増えてしまう…。


   天せいろ 1,000円。 そばの量だって決して少なくないですよ〜。(大盛りは+200円)

 出てきたそばは、細い切り方で、皆さん!地元のお母さん方が打っているからと侮ってはいけませんよ。これはもう立派な職人技です。わくわくします。
 さあ、まずはつゆを軽く口に含んでみますと、出汁のよく効いた塩味のつゆです。ああ、これは楽しみです。次いで、そばをいただいてみましょう。つるつるとおそばをすすりますと…、おお、この香り…。そば粉そのもののよい香りが口いっぱいに広がり、幸せ〜。子どもの頃、珍しく母親が出したおやつは、たいていそばがきだったなぁ。古い記憶が蘇ります。
 天ぷらの素材は「タマネギと桜エビ」のかき揚げと「あしたば」と「しいたけ」と「さつまいも」でしたが、中に小さな梅干しのそれがもありました。もちろん旨かったですよ。
 おや、そば打ち体験をしていたご家族の方も、そばが茹で上がったようです。2人の男の子達は待ちきれない様子で焦れていたんですけどね。おそばが出てきたら、おとなしくなりました。当番さんがちえみちゃん母さん一人しかいないので、手間のかかる天ぷらを注文して悪かったです。ごめんなさい。
 そば湯を飲みなが窓の外に目をやりますと、道を行く車は少なく、山々の姿はまだ紅葉の季節には早いことを語っています。お店のすぐ前に停めたバイクは、静かに私を待っています。そのポーレポーレの建物はやわらかな午後の空気に包まれて、時間はゆったりと過ぎていきます。些細な喜びでありますが、最高の休日になったことは確かです。

 厚くお礼を述べ、千円を払って玄関を出ました。いつか古道仲間でそば打ち体験オフもいいですね。あ、そうなるとM.suzukiさんには微妙なお話ですね。難しい…。

 帰り道、おふくろまんじゅうを買いたかったのですが、水曜定休なんですよね。祝日とはいっても営業はしていないのでした。
 らいおんさんちにはハイラ君はないし、おふくろまんじゅうも買えなかったので、旬の里でネギを買って帰ることにしましょう。午後は仕事場に行かなければ…。半日だけの休日でした。でも満足。(この後、かみさんの新しい車が家に届けられることが分かったのです。小さな銀色の車は、無事届けられたのでした。それはまた後日に。画像はちょっとおまけね。)


    午後4時07分、ようやくヴィッツが来た〜。面白い形!



第8回 恵比寿島の石丁場跡を見る
 2004年8月4日

 私がいつもカニ引きにいっているのは、須崎の恵比寿島です。ここに階段状に岩を削った跡があります。これはいったい何の跡でしょう。
 聞くところによりますと、下田沖にある御子元島の灯台を造る時に使う石をここから切り出したそうです。島へ石を運ぶのは島から切り出した岩、というのは理にかなっていますものね。



     第7回 ジェームスさんちへ行く
           2003年7月6日
 下田市のALT(Assistant Lungage Teacher)のジェームスさんから車の本を借りてあったので、返しに伺いました。アメリカ産の飼い猫“ツゥーティ”の写真も撮りたいものですから。
 日曜日の午後、フォンテーヌのフルーツケーキを買い、吉佐美のローソンからジェームスさんちにTELすると、奥さんは不在で、電話にはジェームスさんが出られました。が、英語での電話マナーをよく知らない私。何となくO・Kのようなので、そのままおじゃましちゃいました。
 ジェームスさんは、日曜大工の真っ最中。玄関の上がりがまちを改造していました。リフォームは何でも自分でやられるようです。
 ひとしきり車の話をしたところ、彼は4輪駆動車がお好きとのこと。通勤車はビッツですが、愛車はもう一台あり、それはハイラックスの大きいのなのです。私のAZ−1も見てくれて、10年前の車であることを話しますと、驚いていました。

 で、そうそう長居もできないので、(ほんとは私が英語を上手く話せないので、間が持たないのん。)ネコちゃんの写真を撮らせてもらうことにしました。2階で寝ているという“トゥーティ”(アメリカ産の雑種10歳。英語でトトロのことだそうです。)を無理矢理起こして連れてきてもらいました。いきなり起こされたので、トゥーティはご機嫌斜め。アメリカのネコははっきりしています。ゴメンね。今度はだっこさせてね。


     「まったくもう、迷惑だニャー」という声が聞こえてきそう。


    第6回 旧国道1号線の石造物を見る
              2003年 春
 時々家族で沼津へ買い物に出かけた時、沼津市・片浜の回転寿司「魚河岸回転寿司」で昼食をとることがあります。ここには旧国道1号線が通っているのですが、車の窓から道ばたに数々の石造物があるのに気づきました。
 そこである日、散歩がてら、それらを見て歩くことにしました。旧国道と海岸線に挟まれた松原の中の、ほんの数百mの間に、いろいろな石造物が点在していました。それらのほとんどは、江戸後期に建てられたもののようです。道路工事の際にも打ち捨てられず、ここに残されたのでしょう。木立の中で、それらはひっそりと人目を避けるかのように立っていました。でも近くに住んでいる人がお世話をしているように思えました。下田のそれとはまた違った意匠のものもありますので、いつかじっくり探索してみたいものだとと思います。(でもきっと沼津市にはそれらをまとめた資料があるんでしょうね…。)ちょっと一人で歩くには淋しいところでした。

      「観世音菩薩」と「大悲観世音」          「妙法華経一字一石塔」
     納経塔や青面金剛塔、地蔵など         自然石を利用した馬頭観音


第5回 天城湯ヶ島町の「いのししコロッケ」を味わう
  賞味 2002年 秋
 天城温泉会館の南に続く商店街の中に、「猪コロッケ」というのぼりを立てた肉屋さんがあります。以前から気になっていたのですが、いったいどんなコロッケなのでしょう。ある日、思い切って店に行って買ってみました。

     「猪コロッケ」ののぼりが目印 マルゼン精肉店                  上の3つが猪コロッケです。

 決して広くないお店は、若夫婦とお母さん、パートさん達で活気に満ちていました。私が行った時は午前9時半頃で、「今揚げるからね。」と、まさに調理を始めるところでした。
 待つこと十分ほど。「猪鍋と同じように味噌味が付いているので、ソースをかける必要はありませんよ。」と教わって、あつあつのを袋に入れてもらいました。価格は一個160円。高いようですが、猪肉自体が100g930円もするので、仕方ないでしょう。でもとてもこってりした濃厚な味なので、その価値は十分にあるでしょう。ちなみに、普通のコロッケ(こちらももちろんおいしいです)は80円です。私が待っている間、県外ナンバーの車が止まり、猪肉などを買っていきました。このお店をめあてに来る観光客もいるような感じでした。残念なのは、定休日が日曜日であることです。沼津に買い物に行く時、買えない〜。


第4回 沼津市立図書館で郷土資料を探す
    探訪2002年10月18日
  家族で沼津に買い物に出かけた折は、できるだけここに寄るようにしています。もちろん家族が買い物をしている時に私だけ行くのです。なぜなら、この図書館は郷土資料が充実しているからです。2階に、郷土資料室という特別閲覧室があり、興味深い資料がたくさんあるのです。下田図書館にも資料はあるでしょうが普段は書庫に入れているようです。でも沼津のここは、常に書架に置いてあります。色々探しながら読んでいると1時間や2時間はすぐに過ぎてしまいます。困るのは、車で行った場合に駐車場が30分以内のみ無料ということ。30分以後は、有料になってしまいます。私はいつもイトーヨーカドーに車を置いて歩いていきます。なあに、運動、運動。中学生の娘らと来ることができるとよいのですが…。
 この日は、古い『下田帖』から気になる古道に関するページをコピーしてきました。

  大きな建物 三園橋から駅方面に向かってすぐ              もちろん天城路シリーズもそろっています。    


第3回 林フォトギャラリーで昔を想う
2002年9月30日
 ネットで「古い伊豆の写真を展示していますよ。」と教えられて、行ってきました。河津町・浜にあるその建物は、昔郵便局として使われていた建物です。
 入場料500円(コーヒーつき)を払って入りますと、すぐ左に伊豆の古地図が飾ってあります。さっそく下田の辺りを見ますと、おお、これはまさしく古道の道筋。小鍋峠や小松野道のしっかりメインルートとして記載されています。欲しい!
 ギャラリー内は、よけいな装飾がなく、モノトーン調でしっとりと落ち着いた感じ。この日は、大正期の伊豆の風景写真の最終展示日でした。天城の大川端近くの道は、踊り子が歩いた道ですね。そうそう、私の生まれ育った東伊豆町・片瀬(白田)の写真もありました。稲梓の写真は…、なかったですね。残念。
 見学の後で出されたコーヒーは、挽き立てでよい香り。濃厚でいい味でした。ギャラリーとこのコーヒーなら、納得です。展示内容が変わったらまた来てみましょう。

      河津駅前通りにあります。                        落ち着いたギャラリー


第2回 PTAで大平山に登る
   2002年9月8日

 娘の通う中学校から「PTA運営委員ふれあいハイクのお誘い」なる文書が届きました。発起人はPTA会長のO氏です。さすが登山家の会長さん。学校から飛び出して親子や先生方との交流を深めようというねらいは、まさにアウトドア派ならではの発想です。私が迷いもなく参加の意を表したのは、いうまでもありません。

 9月8日は前日の雨も上がり、ほぼ快晴となりました。金曜日が土砂降りだったのでどうなるかと気を揉んでいましたが、これならさい先がよいです。簡単な弁当を作ってリュックに押し込み、いざ出発。午前9時30分に学校集合。集まったのは、男子生徒4名、先生方5名。保護者は女性4名、男性3名、計16名でした。

 9時40分、車に乗り合わせて出発。途中で飲み物を買って、気まぐれ売店奥の駐車場に着いたのが10時ちょうど。出発は10時05分となりました。辺りは前夜の雨が湿気として残り、ひんやりと冷たい空気が流れています。
 この駐車場の辺りは、昔、須原地区の火葬場があったところだそうです。火葬場といっても、露地で火葬をしたのです。そのせいか、広場の傍らに供養塔と、お地蔵様が納めてあったとおぼしき跡があります。


         もうすぐ出発

 私は最後尾から歩いていったのですが、どうものんびり歩くのは性に会わず、折を見て先へ先へと進みました。途中、急な木段のところでは、みな日頃の運動不足からか、ヒーヒー言っています。でもさすがO会長と中学生は元気ですね。あと、N友先生も頑張っていました。


          まだまだ続く急坂

 途中のベンチでの休憩もそこそこに、再び急坂にチャレンジ。山頂への一番乗りは、N友先生でした。駐車場からの所要時間は、40分間。最後尾の校長先生が到着したのは、それから20分後のことでした。

 ここ大平山からの眺望は、東南に海、西北に山が望め、下田市内では有数の観望ポイントになっていると思います。この日も天気が良かったので、よく見えましたよ。さすがに富士山は見えませんでしたが…。

           青少年、未来を語る。

 さて、O会長さんはご子息と共に大きなザックを背負ってこられたのですが、中に入っている物がここで判明しました。何と、参加者のためにコンロや飲食物などを目いっぱい詰めてきておられたのです。絶句…!ありがとうございました。間もなく、テーブルは簡易パーティの調理場と化しました。


     まさか山頂でパーティができるとは…

 ところで、山頂では実に多くの動植物が見られました。私が驚いたのは、山芋(自然薯)の幼苗がそこかしこに見られたことです。おそらく発芽して1〜3年と思われますが、そうそう“むかご”(葉の付け根にできる種のような粒)が散らばるはずもなく、不思議に思いました。が、同席したお父さんによりますと、葡萄の房状に咲く花の実が風で飛んで定着し、発芽するそうです。初耳でした。それにしても今は山の手入れをしないために木々が生い茂り、日光が山肌に届かなくなったので山芋が生えない、と聞いたことがあったのですが、ここ大平山山頂は日当たり抜群なので、これほどの数が見られるのでしょう。これが7,8年経ったら、どうなるのでしょう。まさか山芋堀職人が入山してあちこち穴だらけ、なんていうことにならなければよいのですが…。


     山芋の幼苗(右はオニドコロの葉です)

 この日見られた花や蝶です。

 そんなことを思いながら時は過ぎ、午後1時となりました。お腹はいっぱい、花や蝶、野鳥の声やトンボの姿も鑑賞しました。そろそろ下山する時刻です。また次回の山行の約束を交わし、荷物を持ちました。次は、全校規模で天城縦走を計画するとか…。交通機関が早めの入山に対応していない点がネックですが、何とか実現したいものだと思います。

第1回 オートバイのユーザー車検   2002年8月
 
 その昔、古道の移動手段は、馬でした。現代は、生きた馬の代わりに鉄の馬、つまりオートバイが移動の手段になっています(ただし一部のビジネスマンと愛好家のみ)。わが家にもオートバイがあり、今年8月末が、このバイクを入手して2度目の車検となりました。
 2輪も4輪も、いわゆるユーザー車検で受検を始めて7年になります。受検の仕方は詳しい本が市販されていますし、ネットでも多くの方々が受検記を公開していますので、ここではエピソードなどを書いてみたいと思います。

 前々日までに自賠責を更新し、定期点検(2輪の場合は、12ヶ月点検で可)を済ませておきます。もちろん検査場(正確には「名古屋陸運局静岡支局沼津自動車検査登録事務所」)に電話をして受検の予約を取っておきます。
 今回は、余り気合いが入っていなかったので、何となく点検を済ませ、当日を迎えました。が、既に朝から雨。予約は、午後1時からの第3ラウンドです。しかたなく合羽を着て、ハンドルを北に向けました。午前10時に自宅を出発し、天城トンネル、修善寺道路、香貫、千本松原、原、と進み、検査場には午後12時過ぎに着きました。沼津に入ったところで雨はやんだのですが、雲行きは大変怪しいです。結局、間もなく雨になりましたが…。それにしても、何時来ても検査場では緊張します。それも、喉がひりひりと乾くような異常な緊張です。

 午後1時から現地での書類(税金納付書や検査申請書など)をそろえ、受付に提出して印をもらってラインに並びます。沼津では2輪専用ラインが無いので、4輪に混じって検査を受けます。午後のせいか受検車が少ないです。列に並ぶと間もなく検査官が来て、外観検査を始めました。書類と車体の同一性や外観の寸法、ヘッドライトやウインカーなどの動作を確認していきます。前回は検査官がブレーキレバーを握ったりシートのベルトを引っ張ったりしましたが、今回は特にチェックはされませんでした。と、ここで不良箇所が露見しました。何と、フロントブレーキレバーを握ってもストップランプが点灯しません。何度試してもいくら強くレバーを握ってもダメ…。検査簿には、赤鉛筆で「手動制動灯不灯」と書かれてしまいました。ど、どうしましょう。どこかで断線しているのか、スイッチが壊れているのか…。近くのバイク屋ではパーツはないだろうなあ、などと嫌な思いが頭の中を駆けめぐります。確か点検の時は点灯したような…。でもその辺がはっきりしません。点検記録簿を見ながら作業しなかったので、見落としたのでしょう。何となく気合いが入っていなかったのが、こんなところでマイナス面として現れてしまいました。で「後で直ったらまた来てください。並ばなくてもいいからね。」と言われ、そのまま次の検査へ。ここからは屋内の検査機器に車体を進めて検査を受けるのです。前にはもう一台、バイクショップの人が持ち込んだXJRがいます。その後に続いて、まずブレーキテスターに前輪を載せたのですが、ここで場内スピーカーから天の声が…。「(2輪が入ることを)申告しないから、テスターが自動で動き出しちゃったよ。待ってな、今、手動で動かすから。」とこれは、奥のブースで見ている検査官の声でした。そうでした、4輪用のラインなので、2輪は直前に奥の検査官に声をかける必要があるのでした。この辺はユーザー車検が一般化してきたので、当然ユーザー側が心得ていると判断されているのでしょう。

 さてブレーキ検査ですが、ローラーに足を挟まれないように慎重にチェックを受けます。


 検査ラインの様子 ちょうど2台のバイクがライト検査を受けています。

 ブレーキは前後とも1回でクリア。刻印機に記録簿を差し込んで刻印をします。
 次はヘッドライトの光軸検査です。オレンジ色の四角い検査ロボットが大きなガラスの目をこちらに向けています。そこをめがけてスイッチ、オン。デビルビーム! 機器がヒコヒコと上下左右に動いて光軸を探しています。やがてその動きが止まると…、頭上の電光板には、「ヘッドライト×」の表示が。そ、そんなあ〜。するとすぐにまた機器が動き出し、「検査中」の表示が出ました。「ハンドルを真っ直ぐにしてよ〜。」といいう天の声。もう一度検査をしてくれるようです。ブースの中にモニターがあり、それを見ながらマイクで放送してくれているのです。が、これもダメ。3度目も×で、またしても「左に○○、下に△△。光量は2万出ている。」と光軸のずれ(パーセントかな?角度かな?)を読み上げるアナウンスが響きました。でも、これはおまけ付きです。4輪なら一度×が出るとやり直しはしてくれないのです。
 光軸が左右にずれるのはハンドルに対してヘッドライトハウジングが曲がって付いているからで(転倒経験車なので)、下向きなのは、ここに来る途中で段差などを乗り越える際に振動で下がったのでしょう。光量の方は、最低合格ラインが1万4千カンデラですから、十分ですね。でも2カ所も不合格箇所があるなんて、こんなことは初めてです。検査官に「左と下にずれているということでしょうか。」と訪ねますと、「ハンドルを真っ直ぐにして、と言ったでしょ。真っ直ぐになっていたなら、そういうことだね。」との返事が返ってきました。余り意味のない質問でした。ここで検査結果×のまま刻印をして、とほほな気持ちのまま、とりあえずラインを出ました。


 一緒に検査を受けたビューエル君。合格したのかなあ。

 さあ、不合格の箇所を直さないといけません。(本当は検査場内で整備してはいけないんだよね。)とりあえずフロントブレーキのスイッチを見てみることにしました。
ドライバーを手にしてレバーの根元を覗いてみると…、あれ? スイッチに2本のコードを留めるパーツのネジが1つ無いようです。いつの間にか落っこちていたんですね。うーん、正直なところ、ここは点検してありませんでした。で、残った片方のネジをゆるめてスイッチを外してみますと(よかった、ドライバー持ってきておいて)、なんと中がネバネバの黒いヘドロのような物でまみれています。もしかしてこの中に電極があって、それがヘドロで絶縁されているのかもしれません。ドライバーの先でヘドロをこそいで、ウエス代わりのバンダナの裾でごしごしこすってみました。すると、下から電極が出てきました。ねらいはぴったり。想像するに、ネジが1つ外れてすき間ができ、レバー基部の潤滑油が流れ込んだところに埃が付着してネバネバ状態になってしまったのでしょう。それにしても、これでは気合い不足なんかではなく、単なる準備不足です。恥ずかしいことこの上ありません。ユーザー受検者全体の信用が落ちてしまったらどうしましょう。
 さあ、電極はきれいになりました。スイッチを元のように組み立てて(ネジは1本のまま)試しますと、今度はブレーキランプが点灯しました! はあ〜、よかった。 

 
   こんな小さなパーツが不合格の原因に   

 さて、ヘッドライトの光軸直しです。といっても、特に調整機器があるわけではないので、壁を照らして、手で動かして直します。私のはハウジングとステーの間にラバーが挟んであるので、手でたやすく動かせるのです。もっとも、それが今回不合格になった原因なのですが。心持ち上向きにして、調整完了。再びラインに並びました。

 検査官の所にバイクを進めますと、先に白タンクのビューエルがいます。これもバイク店の持ち込んだバイクのようです。ナンバーがないので、並行輸入車の新規検査でしょう。
 ブレーキランプの方は、すぐに合格しました。ハンコをもらい、ヘッドライト検査に臨みます。ビューエルくんもどうやらヘッドライト再検査で並んでいるようです。
 今度は2台並んで検査を受けます。まずロボットがビューエルくんの方に行きました。例によってヒコヒコ動いていますが、何と×。あれー、再検で、しかも新車のようなのに。ちょっと気の毒。次にロボットは私の方にきました。今度はハンドルを心持ち右に向けてと…。そこでまたもや天の声。「ちょっと上向いてるね。タイヤが線の上に載ってない? 載ってたら少し後ろに下がって。」うわあ、上を向きすぎているんだ、どうしよう、直せるかなあ。ん?検査官のブースからは死角になっているぞ、今だ!と、すぐさまぐいっと手でハウジングを押し下げて下を向けました。「はい、ちょっと左向けて。」と今度はアドバイスまでもらって、ハンドルの向きを修正。すると電光板には○の表示が。やったあー、合格しました。 合格印を押してもらい、総合判定ブースに書類を提出。ここで判定結果を記入してもらい、庁舎に戻って窓口にまた提出。程なく新しい検査証と2年間有効のシールをもらいました。検査証発行窓口のお姉さんに「鈴木さんー。」と名前を呼ばれた時には「はい!」と元気良く返事をしました。このときの快感のために私はユーザー車検をを受けているのかもしれません。(大げさ) うーん、それにしても今度はもっとちゃんと点検してこようっと。
 検査に合格した後はいつも検査場の正門前で毎年写真を撮るのですが、この日は雨でしたので、検査棟の軒下で撮りました。次回は3月にカミさんのEL53ターセルを持ってきます。今度は気合い、じゃなくて準備をしっかりしてこなくちゃ。

今回の経費:自賠責保険料 24ヶ月 18,440円(昔に比べればずいぶん安くなりました)
        重量税 2年分       5,000円
        検査手数料         1,400円
        用紙代               15円  計 24,855円

 でも、事前にタイヤやブレーキフルードを交換しています。(16,000円ぐらい)
           

 地味なマイバイク。ホントは赤がいいんだけど。
                                             
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