葉

もう一つの大滝
探訪2005年8月18日   
 
 河津七滝は広く知られており、中でも大滝は有名のようですが、伊豆にはもう一つ大滝があるのです。 それは、西伊豆町仁科の大滝です。           

 すでにネットでは秘境や廃墟系のサイトでかなり紹介されているので、ご存じの方も多いでしょう。私もその存在は知っていました。が、いざ行くとなると、あまりアクセスについてはぴんと来なくて、行けなかったのです。それに、滝の手前には大滝ランドというレジャー施設があり、管理人さんがいて自由に入れないような感じなのです。
 が、今年になってkawaさんが行かれ、その近くにある天城鉱山跡も探索されました。さらに、好奇心旺盛なわが先生、ジェームス氏もおとといそこを訪れ、大いに楽しんだとのこと。これは追跡するしかありませんね〜。という訳で、私も行ってきました。(何だか人の後ばかり追いかけてるな…)

 この日は一人でバイクで出かけ、滝を見た後は鉱山跡を探索し、そのまま西天城高原を通って天城湯ヶ島町に下りて帰ってくるつもりでした。が、何気なくかみさんに声をかけたら、「一緒に行く。」との返事…。ま、夏休みは家族でどこにも出かけてないので、2人で行くことにしましょう。

 いざヴィッツ号に乗り込んで、婆娑羅峠を越え、仁科のアオキ前を右折。道なりにどんどん走って大沢里(おおそうり)を目指します。途中、古い民家の壁にこんな看板を見つけました。いつ頃掛けられたのでしょうか。だいぶ色が褪せています。




 が、事前にネットで地理については予習をしてきたつもりなのに、祢宜畑(ねぎのはた)の集落を過ぎ、宮が原をも通り過ぎてしまったのです。どんどん標高が上がり、道も狭くなってきます。こんな所に大滝への入り口があるのだろうか、と不安になってきました。
 かなり上の方まで上ったところでかみさんが「今、大滝歩道っている案内板があった。」と言うので、慌てて地図を見たら、すでに滝のずっと上の方まで来てしまっているではありませんか。私も不安だったのですが、勘が鈍っているのでしょうか。がっかりです。ガソリンと時間を無駄に使ってしまったことをかみさんに謝り謝り下りてきました。

 下りる途中(上ってくる途中)、深層水を汲める施設がありました。こんな奥にあったんですね。以前らいおんさんのサイトで紹介されているのを見た時はもっと近くにあるような印象を受けていたのですが、こんな山中にあるとは…。大変立派な施設で、訪れていた人も車もぎっしりです。そば店が併設されているので、こんどそばを食いに寄ってみることにしましょうか。


       ちょっとした村のようになっています

 対向車に気をつけながら、大滝ランドにつながるという、下りの枝道を探しながら下りていきますと、ありました! 結構下の方です。ああ、40分ぐらい無駄にしてしまいました。

 車一台がやっと通れるような狭い舗装路を下りていきますと、林道の分岐がありました。こちらが鉱山跡に行く道でしょう。そちらには数台のRV車が停まっていて、若者が何やら企てているようでした。

坂を下りきりますと赤い橋があり、いきなり大滝ランドという施設に入ります。
事前に得た情報では、管理人さんとたくさんの犬がいて、駐車料金300円が必要とのことです。

一度入り口で車を降りましたが、どこに管理人さんがいるか分からないので、案内板に沿って奥に行きました。

すると、釣りをしている家族連れがいます。そばには養鱒場でしょうか、稼働している生け簀があります。犬はいませんが、数頭の放し飼いのポニーがお出迎えしてくれました。


  ポニーなのかロバなのか? 落ちているうん○に注意!

 滝への入り口はすぐには分かりませんし、駐車場もどこなのか不明なので、釣りをしている家族のご主人に尋ねてみました。すると、敷地の奥にあるバンガローに管理人がいて、そこで駐車料金を払うのだそうです。

 大滝ランドを見物したい気持ちを抑えて車を奥に進めますと、かつては洋蘭センターがあったという広いコンクリートのスペースがありました。そこに車を置き、石段を上がってバンガロー群がある方に行きますと…、とたんにけたたましい鳴き声と共に数匹の犬が私を取り囲むようにして集まってきました。こ、こわひ〜。慌てて管理棟らしい建物の中に声をかけますと、一見おじさん風の小さなおばさんが出てきました。滝を見学に来たことを告げて300円を渡しますと、ていねいに滝への行き方を教えてくれました。特に恐い人ということはなく、来る客はちゃんと受け入れる、という印象を受けました。滝へと歩き出す私たちに「足元が悪いので、気をつけて行ってらっしゃい。楽しんできてくださいね。」と言って送り出してくれました。犬達は人間にじゃれついたり噛みついたりすることはないようですので、安心してよいと思います。


       管理棟は車の向いている方の右 滝は正面奥にあります

 さて滝への道ですが、大滝ランド内を流れる仁科川支流に沿って遊歩道を歩いていきます。途中、宗教的なオブジェがいくつかありますが、これらのために大滝ランドが奇異の目で見られ、ネットで心霊系や廃墟系で紹介されることになったのではないでしょうか。ランド内にはもっと珍しいものが点在しているとか…。だけど管理人さんがいる手前、勝手に見て回っていいのかなあ。


  このアーチ橋を渡って行きました (手前にもう一つ橋あり)

 さてさて、駐車場から歩くこと10分間。滝が見えてきました。途中、滑りやすい所や崩落している地点がありますので、運動靴できた方がいいですね。


  手前にある別の滝 大滝か?と間違えやすい


        道は倒木あり崩落ありで、荒れています



 滝は、河津大滝に勝るとも劣らない美しさを持って見る人を引きつけます。滝壺に近づくと、細かな水しぶきが飛んできて神や服を濡らします。首から下げたカメラもピンチです。が、かのジェームス氏は昨日ここで泳いだとのこと。「水をかいてもかいても流れに押し戻されて滝に近づけなかったよ。」と話してくれました(たぶんそんな意味の事と思います)。すごいぞジェームスさん。


      滝の水が流れ落ちる最上部の画像 きれいです
 
 さて、帰りはちょっと気持ちに余裕ができたので、あちこち見ながら車まで戻りました。
最初に迷って行ってしまった「大滝歩道」という案内板から下りてくれば、ここに出るのでしょう。滝のすぐ下に別の遊歩道が分岐していました。



 これは天の岩戸と名付けられたところです。折り重なった自然石をくぐって通るのです。霊の仕業か、画像がぶれてしまいました(ウソ)。



 入り口近くに、狛犬が一つ立っています。2年前には対でここにあったようですが、一つなくなっていますね。ちょっと淋しそうでした。と、そんなことを考えてカメラを向けますと、かみさんがこまいぬさんと勝手に並んでポーズをとっているではありませんか。 あんた何やってんの。 恐くねえが?


     あなた、なんで勝手にモデルになってるの

 大滝ランド内は管理人さんにことわれば敷地内を見学できるようですが、私たちは車の中からざっと見回す程度にしました。養鱒場には飼育係とおぼしき別の男性がいましたし、第一、好奇心からここに来たんだろうと(その通りなんですが)思われるのもあまりよくないと思ったのです。


  駐車料金を渡した女性がいる管理棟 ランドの奥にあります


    この仁科川支流に沿って大滝ランドはあります

 この大滝ランドがどのような経過でこのような現状になったかは知らないのですが、たぶんホテル施設が倒産してから管理者がいない空白の月日が多少でもあったのでしょう。廃墟を求めてやってくるドキュン系の人たちに侵入を許し、ガラスを割られ、落書きをされ、挙げ句の果てに放火までされている(らしい)のです。普通なら、一般客に開放はしないでしょう。なぜあのバンガローにいる管理人さんがあのように人当たりがよく、親切なのか、理解しにくいです。ふつうなら、「あんたたち、何が珍しくて来たの?!」と思われるのではないでしょうか。それが印に、たくさんの賑やかな犬をたくさん放し飼いで飼っているのですから。 それとも私たちが中年夫婦だから怪しまれなかったのかな?
 
 ちなみに、この建物の3階にも別の管理人さんがいるようです。ジェームスさんも「人がベッドで寝ていた。」と言っていました。
 

   元ホテルの左半分には焼けた跡があります 落書きもされて哀れです 周りにいるポニーは可愛いですけど


      元ホテル玄関 侵入はなりませぬ

 さて、今回はかみさんと一緒に来たので、途中で寄り道はしませんでした。 道すがら、いくつか写真に撮りたい物もあったのですが、それは後日のお楽しみとしましょう。ホントは車を降りて撮りたかったんですけどね。

 ちなみに、かつてこの大滝ランドにあったというオブジェは、これらです(禁断のページなので、要注意)。



 帰りはお腹が空いたので、兼ねてから来てみたかった、松崎ヤオハン隣の小さな洋食屋に寄りました。普通の一軒家の一部屋を食堂にしたようなその店は、庶民的な料理を出していました。一度は行っていいかも…。


  お店の名は「ぐらんぽてろん」かな? 普通の家風 洗濯物あり


   オムライス親子風 870円 載っているのはトンカツです チキンライスの量は少な目


 K子さんのは、ハンバーグ有頭エビフライ付き+ライスセットとデザート コーヒー 2人で3,170円也
                                             
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