難所を避ける柿木道
以前から資料『下田街道』で「柿木から山を回って青羽根に行く道がある。こちらは狩野川を避けて行けるため、通る人の数は多かったようだ。」と紹介されているのは知っていました。ただ、地理に疎いため、実際に訪ねるまではイメージが湧かず、どんなところだろうと想像に任せるほかなかったのでした。
前回の探索で柿木の里を訪ねた折りに下柿木のバス停脇で青羽根への道標を見つけ、次はぜひそちらの道を歩いてみたいと思いました。
それで、行って来ました。青羽根への古道!
が、ちょっとがっかり。想像では草深い荒れた細道を想っていたのですが、ふたを開けてみれば、こんなところにも開発の手は伸びていたのです。では、ともかくご案内しましょう。

青羽根の古道への入り口 中央の小さな道標が分かりますか?
国道136号線のバス停「柿木橋」から柿木に入り、「下柿木」バス停で左折して細い道に入ります。道なりに林道を100mほど進みますと、右に作業小屋のあるT字路に出ます。左は狩野城の跡だそうです。その左脇に、小さな道標と馬頭観音があります。

町道を離れて古道へ入ります
辺りを見回しますと、自然石を利用した馬頭観音碑や、どこかのお宅の墓地もあります。昔はかなりの通行量があったのではないかと思われます。

古道の雰囲気が味わえます
道標を左にみて細い道を進みますと、狩野城跡に至る看板が出ています。ちょっと登ってみましたが、ただの雑木林のようでした。この点は後ほど調べてみようと思います。
さて、道は谷間におり、車の通れる砂利道に吸収されてしまいます。が、このときは「たいてい古道を吸収した林道は行き止まりになって、そこからは荒れた踏み跡だけが残っているんだよね。」などと勝手に想像していたのですが…。

間もなく林道は細い道に変わると信じていたのですが…
いくら行っても立派な道は途切れません。右には細い谷川が流れています。左右はかなり急な斜面なので、他のルートを古道が通っていたとは考えにくいです。
どこまでこの林道は続いているんだろう…、と思って歩いていきますと…、何と! やがて大規模な治水工事をしている現場に出てしまいました。そして向こうには青羽根の集落が見えているではありませんか。
おお、古道はすっかり破壊されていたのです。私は思わずへなへなとその場にしゃがみ込んでしまいました。

ぎゃあ〜! 何ですか、これは…!?
わずかな踏み跡を頼りに青羽根の集落にたどり着く、という夢は見られませんでした。きっと楽しいと思ってきたのですがねえ。ま、こんなこともあります。町場から近いのがあまりよくなかったですね。
工事現場からは狩野城跡への道ができるそうなので、完成したらまた来てみることにしましょう。が、開発は必要最小限の規模にとどめて欲しいですね。
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