葉

柿木に遊ぶ
探訪2003年9月29日
 
柿木の里へ
 修善寺町から天城湯が島町に入り、中村病院のある松ヶ瀬地区に来ますと、国道は柿木橋を渡ります。その橋の手前を右に曲がり洞に入ってきますと、柿木の集落に入ります。
 静岡県教育委員会発行『下田街道」によりますと、江戸時代の柿木橋は今より100mほど上流にあったそうです。谷文晁の『公余探勝図』に描かれた「柿木村南望」を見ると、粗末な橋であったそうです。が、毎年洪水が起こるたびに流されてしまい、普請(修繕)には苦労したそうです。かなりの難所だったということですね。


          国道136号とバス停「柿木」

馬頭観音
 国道から柿木川の北岸を数m上った岸辺にあるそうです。今回は見落としてしまいました。次に行ってきます。柿木川を渡るのは困難を極めたため、旅や仕事の途中で川に落ちた牛馬を供養するために建てられたものだろう、ということです。

柿木神社
 国道から柿木の集落に入って1kmほど行った左にあります。何をお祀りしているのかは分かりませんが、ひっそりと静かに佇んでいます。でも境内に集会所が建っていますので、秋祭りの時期には賑やかになるのではないでしょうか。
 同じく境内には、「奉納西国板東秩父湯殿山供養塔」や「奉納廿三夜講供養塔」などが建っています。

道祖神
 柿木神社の鳥居のそばに、道の方を向いて、2つの光背型浮彫単立像の道祖神が立っています。『下田街道』によりますと、下柿木のサイの神だそうです。長い間ここを通り旅人や村の人々を見送ったことでしょう。そのためか、すっかりお体が摩耗しています。


           柿木神社と道祖神

柿木神社を後にしてさらに奥に進みますと、間もなく右手に法泉寺があります。
 ここには幾つかの素晴らしい石造物があります。

馬頭観音
 その一つが、馬頭観音です。伊豆では滅多に見られない、三面六臂のお姿をしているのです。
 馬頭観音が農耕馬などの供養のためにたくさん建てられるようになってからは、単立像の観音様や石柱の文字碑の形で建てられることがほとんどなのですが、ここの観音様は、もともとの姿を守っています。
ちなみに私が知る限りでは、このほかに稲梓の滑川の奥に一つ、松崎の池代の手前に一つ、立っています。

 ここのお寺の境内には、他に、見事な枝振りのしだれ桜、安政4年の唯念名号塔、安永3年の巡拝塔、天明6年の供養仏石塔、文化3年の庚申塔などが立っています。石仏好きにはたまらない所です。


       法泉寺境内にある馬頭観音 庚申塔(青面金剛明王塔) 石仏

道標
 さて今回はここで引き返します。次に道標探しをしてみましょう。
 下柿木のバス停までもどりますと、右(南)に小径が2本延びています。右に行く道は山道ですが、左に行く道は、この先の青羽根に通じる道だそうです。

 その入り口の左下に、小さな道標が立っています。犬がおしっこをかけそうな所にあるので注意深く見てみますと、正面に「青羽根ま□」、横に「大正十年十二月 中狩野村」と銘があります。この道標は『下田街道』には記載されていません。江戸期のものではないので割愛されたのかな?


         「下柿木」バス停脇にあるひとつ目の道標

もう一つの道標
 ひとつ目の道標から奥に歩くこと5分ほど。下柿木バス停から100m程度進んだ左のやや高いところに、道標が立っています。真っ直ぐ行くと山道ですが、道標に従って左折すると、青羽根に出るそうです。近くには3つ、馬頭観音碑が立っています。

また、この左方の丘は、狩野城の跡だそうです。いずれこの道標に従って青羽根まで行ってみましょう。楽しみが増えました。
        馬頭観音と道標                            こちらも馬頭観音です
                                             
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