葉

地蔵  
太梅寺・小川清助作の子育て地蔵
 
大梅寺の参道手前右に、地蔵様や宝篋印塔のピースなど、いくつかの石造物が並んでいます。その中に、小さな赤ん坊を抱いた座像の地蔵様があるのですが、それは「太梅寺の子育て地蔵」ではありません。
 本物(?)の子育て地蔵は、長い参道を上がって境内に入り、池の左の階段右にあります。

 私はこの地蔵様を写真で見て行ったのですが、どこにあるのか周囲の状況が分からないので、お寺に集まっていたご婦人に尋ねて教えて貰いました。ははあ、これがかの有名な子育て地蔵様なのですね。(って、さっき見ていたけどやっぱり気づかなかったのねー。)



 高い台座に乗っているので全体の高さは人の目線ほどの位置にあります。銘も色々な寄進者の名も彫ってあるので、ぜひご覧になりに行ってくださいね。


いんぼ地蔵  
 箕作の直線道路がわずかに高くなったところに、沢があります。車で普通に走っていると気がつきませんが、山側に白い柵があり、「通学路交通安全」の看板があります。

 その柵を乗り越えるようにして山肌に取り付きますと、つづら折りの道があり、沢に入ります。水は流れていません。程なく左手に高さ50cmほどのお地蔵様と、大日如来石塔が寄り添うようにして立っています。これがいんぼ地蔵様です。私は稲梓に住む同僚から聞いて行ったのですが、初めは入り口が分からず、東50mほどの道を上がっていき、そこで畑仕事をしておられたご婦人にその所在を尋ねました。するとわざわざ鍬を持つ手を休め、畑を横切って案内してくださいました。

 ご婦人の話によりますと、その昔イボができるとこのお地蔵様にお参りして、沢の石を拾ってイボをこすったそうです。イボが治ると、お礼の石と添えて石お返したそうです。ということは、この沢にはさぞたくさんの石が積まれたことでしょう。でもそれは昔の話…。私が訪れた時は、それらしき石は見あたりませんでした。
 別の同僚の話では、かつては稲梓小学校の子どもたちがこの地蔵様の前を通って大平山に遠足に行ったそうです。
 


太梅寺の子育て地蔵
 横川の太梅寺には、聖門橋近くの阿弥陀堂から出土した石造物が半分安置されているというので、訪ねたことがあります。その時には、あまりこの子育て地蔵のことは気に留めませんでした。

 しかし2002年3月3日付けの伊豆新聞に、「太梅寺には、幕末から明治期にかけて活躍した下田の石工、小川清助が彫った子育て地蔵がある。」と紹介されていました。でも、この地蔵様ではないようです。礎石上部からの高さは約25cmほど。小さめですが造作がきれいで上品な感じのするお地蔵様です。
 実は小川清助作の子育て地蔵は、参道を上った境内の左手にあります。次は紹介します。



子育て地蔵(堀之内)
 
堀之内の深根城址上り口脇に立っています。祠の中にきれいに納められています。高さは1m弱。聞くところによりますと、結婚してなかなか子宝に恵まれなかった近所の人がこのお地蔵様にお参りをしたところ、めでたく赤ちゃんが誕生したそうです。すぐそばには、江戸時代からの墓石が多数並んでいます。無縁さんのようですが、中に無縫塔も混じっているので、近くにお寺があったのでしょうか。 


いからご地蔵
 栗の木峠から上大沢に下りる道のふもと、JRの地震計設置所の向かいにあります。高さは120cmほど。丸堀単座像のお地蔵様で、土地の人によって世話をされているようです。
 地元の方の話によりますと、栗の木峠のお地蔵様は女のお地蔵様で、このいからご地蔵様は男のお地蔵様だそうです。土地の石工さんがこのお地蔵様を彫り、栗の木峠のお地蔵様の隣に並べようと運び出したところ、お地蔵様が「ここの土地がいい。ここを離れたくない。」とおっしゃったので、この土地に安置したということです。不思議ですね。何か守りたい物がここにあったのでしょうか。

     
                                             
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